座面の傾斜は、”平らな座よりも、腰をかけて楽であるように”という渡辺力氏の意図が込められています。また、2枚の座板の間には持ち運ぶことを想定した手をかける孔(あな)が設計されているなど、細かな配慮が見られるミニマルな構造美はさすがです。

＜メトロクス＞日本やヨーロッパに誕生した歴史あるデザインプロダクトのマスターピースを取り扱うインテリアブランドです。良質なデザインプロダクトを再生産する復刻事業や、これからの時代を担う新しいプロダクトを創り出す企画等を手掛けています。

サイズ ： 幅43×奥行き30×高さ42cm
座面厚み ： 2cm座面
オーク無垢板
脚部 ： スチールロッド／直径10mm

【デザインコミッティー選定コメント】
1954年清家清氏設計の住宅の玄関ホールに置く椅子としてデザインされ、半世紀を経て製品化に。伝統的な素材である籐をモダンデザインで捉え直した渡辺力の代表作「トリイ・スツール」の原型を思わせる構造を見せている。暖かみを感じさせる無垢板の座面とスチールロットの直線的な脚部の組み合わせが端正な表情をつくる。

田中俊行
©Japan Design Committee.